インフルエンサー

弁護士から見るステマ問題 〜世界から遅れる日本〜

こんにちは、広告専門弁護士のロイヤー・健一です。
今回は最近何かと話題の「ステマ(ステルスマーケティング)」に関して書きたいと思います。
近頃はアナ雪2のTwitterステマ問題インスタで著名芸能人を使った血液クレンジングがステマをやってるんじゃないかって話題になってましたけど、今日は、広告主から見たときに、ステマのメリットデメリット、どうすればステマにならないかについてお話しようかと思います。

ステマしても広告明示しても広告効果は変わらない!?

ステマって、インフルエンサーがある商品やサービスを私的に愛用しているように見せられるから、お金払って宣伝している場合よりも消費者が信用して、売上が上がるように思われるところがメリットなんだろうと思います。

でも、近頃フランスでの研究結果なので、日本にどれくらい当てはまるかわかりませんが、ステマだろうが広告と明示しようが、広告効果に変わりはないという結果も出てきています。

特にこれは25歳未満の層に当てはまるそうで、この世代はインフルエンサーが商品を紹介する以上、当然、PRだろうという目で見ているからだそうです。
https://medium.com/better-marketing/2019-2020-guide-to-ftc-influencer-endorsement-guidelines-ba8d0cda70be

おそらく、日本でも、インフルエンサーによるステマの問題が何度も繰り返し報道されていくうちに、同じような状況になっていくかもしれませんね。
結局、ステマ風の投稿をさせるメリットは徐々に小さくなっていくだろうと私は思っています。

ステマのリスク

一方で、ステマのリスクについてです。
日本でも景品表示法に違反するなどと言われていますが、今のところステマをやっていたとして行政処分が出された例はありません。

それよりも大きいのは、ステマをやっていたことが報道されることで、商品やブランドの価値に傷がつくことなんだろうと思います。

どの企業もブランディングには相当の費用と時間をかけていますが、「あの企業のあの商品、ステマやってたんだって」などといううわさがたてば、せっかく築き上げてきたブランド価値が暴落するのは間違いありません。

直近で起きたアナ雪2のTwitterステマ問題はまさにこれですね。

「インフルエンサーが個人的に気に入っている商品をお勧めしているのかと思ったら、裏でお金をもらっていたり、商品を無料でもらったりしていたと知って、騙された。だまして商品を勧めるなんて汚い方法を使って売られている商品なんて信用できないし、会社も信用できない。」というのが一般消費者の感想でしょう。

食べログのやらせ投稿事件、ペニーオークションでウソの内容をブログに投稿していた事件、血液クレンジングの事件など、ステマとされる案件はどれも大きく報道され、関係各社に与える悪影響は甚大です。

私は、メリットがそこまで大きくないのなら、ステマにならないようにするのがいいと思っているのですが、問題はそのやり方です。

日本ではステマにならないようにするための方法が行政から明示されているわけではないので、私はいつもアメリカの事例を参考にしています。

SNS先進国のアメリカでのステマ対応方法について

SNSやインフルエンサーマーケティングの先進国であるアメリカ。
実はアメリカはステマ天国で、キムカーダシアンもステマで一時期問題になったことがありますし、ステマをやっていると、「欺まん的取引」を行ったとして、FTC法5条違反となり、政府に多額のお金を払わなければならないこともあります。
そんなアメリカで、先月ソーシャルメディア インフルエンサーのための開示事項101が発出されました。
https://www.ftc.gov/system/files/documents/plain-language/1001a-influencer-guide-508_1.pdf
原文が英語ですので、読み解くのは面倒なのですが、相当に細かくインフルエンサーが行うべきことが書いてあります。
シンプルにいうなら、投稿の最初にadvertisement,” “ad,” “sponsored.”など、広告であることが一般消費者に明確にわかるように記載しなければならないことになります。

機会があれば、このFTCの文書を翻訳して皆様に公開しようと思っていますが、おそらく日本も今後、同様の対応が求められることになっていくのではないかと思います。

メリットが少なくなりつつあるステマを行うより、FTCの基準にそって、クリーンな広告を行うほうがブランディングの観点からはいいのではないかと思っていますが、皆さんはどう考えますか?

これからのインフルエンサーマーケティングについて

上記に記述したようにステマ対策は海外でも積極的に行われており、今後日本でも基準や意識を高める必要があります。
日本でも近頃は若者を中心にステマに対して敏感になってきており、商品やインフルエンサー(著名人)に不信感を抱いている一般消費者やフォロワーも少なくありません。

先日行われた「アドテック東京2019」で興味深いデータもTiktokさんの登壇で発表されました。

このようなデータからもこれからのインフルエンサーマーケティングは
「さりげなく」ではなく「広告」であると、
意識を変えなければいけない時だと思っています。
そのことが日本のインフルエンサーマーケティングの成長につながると思います。

018では、「Castbook」というインフルエンサーマーケティングサービスを以下のことををポリシーとして運用しております。

・広告であることの表記の推奨
・PR商品とインフルエンサーの関係性をしっかり明示した投稿の推奨
・法令(景表法、薬機法)遵守したサービスの取り組み
など私もサポートに入って令和のインフルエンサーマーケティングを
先駆けた様々な取り組みを行なっております。

自然に見せたいけど、ステマ風にもしたくない。
今後、どのようにインフルエンサーマーケティングを行ったら良いのかわからない。
こういったお悩みがある方、ご興味のある方は気軽にお問い合わせしてみてください。

「Castbook」こちら↓

ちなみにここだけの話、2020年1月にはマッチングプラットフォームとしてリリースする準備もしているみたいですよ!
楽しみです!

ではまた記事を書きますので、お楽しみに!

ABOUT ME
ロイヤー 健一
ロイヤー 健一
年齢 : 38歳 趣味 : 筋トレ・カラオケ  お酒と筋肉を愛し、数々の事件や問題を解決してきた凄腕弁護士! 法律には厳しいが愛妻家で妻には甘い。