私は景品表示法や薬事法など広告に関わる法律を得意としている弁護士です。
弁護士の知見を活かして時には厳しく、皆さんを守れるような見解を記事にしていきますので、これからよろしくお願い致します。
今日は、インフルエンサーが広告違反した投稿をした際の広告主、投稿者側のリスクについてお話します。
薬機法(旧薬事法)違反で逮捕?
薬機法(旧薬事法)の法律を聞いたことある方が多いと思いますが、これに違反すると逮捕されることがあるということをご存じでしょうか?
注意して報道なんかを見ていると、実は年に何人かは逮捕されているんですよね。
ちなみに、薬機法(旧薬事法)がどんな法律かというと、たとえば健康食品だったら、病気が治るとか、背が伸びるとか、体に変化があるようなことを書いたらダメだし、化粧品だったら書いていいと決められてる56個の効能効果、たとえば「保湿」とか「肌のきめを整える」とか以外を書いたらダメだという法律なんです。
この薬機法に違反すると、最悪の場合、逮捕されちゃうわけなんですけど、
その他にもさらに企業全体売上の最大で4.5%くらいのお金を国に払わなきゃいけなくなる可能性もあるから、オファーする企業、代理店はもちろんのこと、インフルエンサー自身も気をつけないといけない法律のひとつですね。
そのため、国内最大手の広告代理店では法務部が広告の内容が法律に違反していないか事前にチェックしているんですよ。
それと意外と知られていないのが、インフルエンサーの投稿も広告としてみなされるため、化粧品や健康食品の案件をSNS投稿するときは、当然ながら薬機法を守らなきゃいけません。
それなのに実際の投稿内容の広告チェックが行われていないことがほとんどで、これは知らなかったでは済まされないほど非常に怖いことなんです。
今後、インフルエンサーが企業や代理店からの依頼で受けた案件で薬機法を違反した内容を気付かずに投稿してしまい、最悪のケースとして逮捕されてしまうということも十分に起きる可能性もありますので、インフルエンサーの方々も自分の身は自分でしっかりと守らないといけません。
健康増進法違反で行政処分?
あと、健康食品だと、健康増進法っていう法律も関係します。
健康食品を食べれば健康が維持されたり、もっと健康になれたりするとか、大きく事実と違うことを書いたりすると、法律違反になって、行政処分を受ける恐れもあります。
ただ、この法律違反の例はそんなに多くないので、やっぱり一番気をつけなきゃいけないのは薬機法ですかね。
信頼を失うリスク
これは法律じゃないんですが、広告主の商品について、オーバーに褒めすぎたり、事実と違うことを書いたりすると、やはり信用できないってことで、信用の切り売りをしているってことで、自分の信頼性、ブランドを落とすことになるのかなっていう感じは持っていますね。
このインフルエンサーは、法律違反をしても平気な人なんだっていうイメージがついちゃうと、広告主も敬遠するでしょうし、いいことないと思いますね。
最後に
法律はもちろん守らなきゃいけないものなんですけど、違反したらどうなるかっていう具体的なイメージがないと、自分には関係ないみたいな感じに思っちゃいますよね。
たとえば、高速道路を時速200キロで走ったら当然、道路交通法違反で逮捕されるのはわかると思いますが、薬機法とか健康増進法とかって違反したらどうなるってわからないじゃないですか。
でも、最悪の場合に逮捕もあるということがわかっていたら、広告主もインフルエンサーも注意しなきゃいけないなってなると思うんです。
インフルエンサーの投稿だから薬機法は関係ないと思っている代理店もまだまだ多いので、広告主もインフルエンサー自身も薬機法に抵触しないように広告内容をきちんと確認して法令遵守した投稿をするように気をつけてくださいね。
最後にお知らせですが、インフルエンサーのキャスティングからSNS投稿内容の薬機法(旧薬事法)のチェックまでを一括して対応する「IPC」というサービスもございます。
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